前回の更新からだいぶ間が空いてしまいました。お待たせしてしまい、申し訳ありません。お気づきの方もいるかもしれませんが、6月に予定していたローンチは、日付を決めない「2026年夏」に変わりました。主な理由は、設計が当初の想定より長くかかっていることです。現時点の見通しでは、Indiegogoのキャンペーンは夏の後半、おそらく8月に開始できるはずです。時間を余分にいただきたい理由は、このあと説明します。ほとんどはユーザーテストのためです。
Fränkの開発は順調に進んでおり、まもなくユーザーテストに移れるところまで機械を仕上げてきました。最初の数台は経験豊富なユーザーの小さなグループに渡し、次の開発段階に役立つ貴重なフィードバックをもらいます。
全体のインダストリアルデザインはほぼ固まりました。詳しくは後日お見せします。いまは細部の詰めと、構造や選んだ部品を検証するテストに力を入れています。
リール
リールそのものには、多くの時間をかけてきました。出発点は、8mmや16mmのフィルムを扱ったことのある多くの人になじみのある、Lomo UPB-1Aのスパイラルです。Lomoは何年も前に生産が終わり、まともな代替品を作っている人もほとんどいません。そのため、この種の信頼できるリールは、Fränk以外の用途でも役に立つはずです。こうしたリールへの装填が難しいのは周知のとおりで、そこをきちんと仕上げたいと考えました。
最大の難しさのひとつは、2つのリールを重ねたときに生じます。下のリールへの装填は、装填中にフィルムに簡単に触れられないため、特に厄介です。フィルムが正しく進んでいるか、層の間にすき間ができていないか、フィルムが自分自身の上に巻き付いていないかが、わかりにくくなります。経験豊富なユーザーのなかには、音で装填の具合を判断できるようになった人もいます。フィルムが正しく送られているときのカチカチ、パチパチという音を聞き取るのです。
これに対処するため、特に下のリールにスペーサーディスクを加えました。上側のディスクと似た設計で、装填中にフィルムにそっと触れて、リールの中を正しく送られているかを確かめられます。小さな追加ですが、装填の手探りの部分をほとんどなくしてくれます。
スペーサーディスクには、もうひとつの役割があります。裏返すことで、リールを8mmフィルム用にも16mmフィルム用にも切り替えられます。
仕様
- リール容量:2×50フィート
- 半分まで満たしたときのタンク容量:1リットル未満
- 電池駆動:18650電池2本
- 対応プロセス:モノクロ、C-41、E-6、ECN-2、ECP
設計上の検討事項と、コミュニティからの質問
コミュニティからいくつか質問が寄せられています。主なものを紹介します。
リールを縦に置くと薬品に浸かるのは半分だけなのに、どうしてフィルムがきちんと現像されるのかわかりません
原理は、多くの回転式フィルム現像機と同じです。フィルムは薬品の中を連続して回転しながら通るため、常に完全に浸かっている必要はありません。そのおかげで、必要な薬品の量を大きく減らせます。
回転式現像の主な影響として、モノクロの現像時間は通常、約15%短くする必要があります。従来の倒立攪拌による現像と比べて、コントラストがわずかに高くなることもあります。こうした特性はよく知られており、回転式現像機で何十年も問題なく使われてきました。
8mmしか撮らない人が16mm対応の大きさのタンクを使うと、薬品の無駄になりませんか?
もっともな指摘で、開発中に直面した大きな妥協点のひとつを表しています。16mmフィルムを主眼に最適化していたなら、2×100フィートのロールを収められるリールを設計していたはずです。その場合、8mmフィルムを装填するとリールの大部分が使われないまま残り、薬品の消費量が必要以上に多くなってしまいます。
そこで、現在ホームムービー愛好家のほとんどが使っているフォーマットである8mmフィルムを中心に、システムを最適化することにしました。同時に、16mmフィルムとの互換性も残したいと考えました。現在の設計では、8mmの50フィートロール2本、または16mmの50フィートロール2本のどちらも現像できます。
この方法だと、8mm専用のタンクより薬品が約0.2リットル多く必要になります。それでも、既存の方法よりはるかに効率的です。たとえばLomoタンクは、8mmフィルム2×50フィートに約1.2リットル、16mmフィルム2×50フィートに約1.7リットルの薬品が必要です。Fränkの薬品量を1リットルに抑えることで、8mmと16mmの両方に対応しながら、どちらのフォーマットでも無駄を減らせます。
もうひとつ大切だったのは、最近のカラー現像キットの多くが1リットル単位で供給され、再利用を前提に作られていることです。タンクの容量をこうしたキットに合わせることで、作業の流れがシンプルになり、経済的で、ほとんどのユーザーにとって実用的になります。
35mmには対応していますか?
2026年7月の更新:この記事の以前のバージョンでは、LomoのリールでFränkが35mmを現像できると書いていました。これは現在は正しくありません。Fränkは8mmと16mmフィルム用の専用リールシステムを付属して出荷され、35mmには対応していません。
100フィートのリールが入る大きさにしてもらえませんか?
実は、その選択肢についてはかなり時間をかけて検討しました。技術的には、100フィートのリールに対応するバージョンをつくること自体は、それほど難しくありません。部品の大半は、大きなフォーマットに合わせて拡大するだけで済みます。
ただ、Fränkではまず、いちばん多くのユーザーのニーズに応えることを重視してきました。ホームムービー愛好家のあいだでは8mmフィルムが16mmよりはるかに人気があるため、最初の製品としては50フィートのモデルを出して、市場の関心を見極めるほうが安全だと考えました。容量の大きいバージョンは、将来の可能性として引き続き魅力的です。コミュニティから十分な要望があれば、100フィート専用モデルの開発も、ぜひ検討したいと思います。
これから
リールの設計が形になり、最初のユーザーテスト用ユニットもほぼ準備できたので、これからの数か月は、フィードバックの収集、設計判断の検証、そして量産前の最終調整に集中します。
経験豊富なユーザーにFränkを使ってもらい、実際の使用経験から学べることを楽しみにしています。このテストはIndiegogoのキャンペーン期間中も続け、そこから出てくる最終調整は、支援者のもとへ届く製品に反映します。早い段階ですべてを固めてしまうより、オープンに改良を続けたいと考えています。
すべて計画どおりに進めば、Indiegogoのキャンペーンは夏の終わりごろ、おそらく8月に開始する予定です。最終的なデザインや機能、キャンペーンのスケジュールなどの詳細は、時期が近づいたらお伝えします。
ここまで見守ってくださり、ありがとうございます。近いうちに、また続報をお届けします。