
リバーサルフィルムは、E-6というプロセスで、カラーネガフィルムと同じ38°Cで現像します。Kodak Ektachrome E100、Fujifilm Provia、Velviaは、どれも同じ液で現像します。タンクから出てくるのは、窓にかざして見られる完成した画像で、フルカラーのまま、変換の必要はありません。
このE-6現像ガイドでは、キット選びからスライドのマウントまで、全工程を順に説明します。液に浸す工程は約30分で、自宅でカラーネガを現像した経験があれば、必要な機材のほとんどはすでにそろっています。
E-6の現像を最初から最後まで見る
Kodak Ektachrome E100を1本、ADOX C-TEC E-6キットを使ってAGO Film Processorで自宅現像する様子を、薬品の調合からスライドの確認まで収めた動画です。一度見ておくと、以下の文章の手順がずっと分かりやすくなります。
E-6リバーサルフィルム現像のしくみ(E-6とC-41の違い)
カラーネガフィルムは、C-41というプロセスで現像します。得られるのはオレンジ色を帯びたネガで、ソフトウェアやプリントでポジに変換します。E-6は最初からポジが得られるプロセスで、4つの段階を経て仕上がります。
第一現像液は、モノクロ用の現像液です。光が当たった部分の銀を現像し、ほかの部分には手を付けません。このため、この液がスライドの明るさを左右します。作用する時間が長いほど、発色の工程に残る銀が少なくなり、スライドは明るく仕上がります。
次に、第一現像液が現像しなかった銀、つまり被写体の暗い部分の銀を、現像できる状態にします。専用の反転液で行うキットもあれば、発色現像液の中で行うキットもあります。そのうえで発色現像液が、この銀を現像し、その周りにシアン、マゼンタ、イエローの色素をつくります。最後に、漂白液と定着液がすべての銀を取り除き、色素だけが残ります。それがスライドです。
C-41と比べると、現像液は1つではなく2つあり、リバーサルフィルムは失敗への許容度が低くなります。1段暗いネガならスキャンで救えますが、スライドはそれが最終的な画像です。
E-6は自宅で現像できますか?
できます。タンク、リール、ダークバッグは、モノクロやC-41で使うものと同じです。難しいのは第一現像液です。KodakのE-6の標準は38.0°C(100.4°F)で、第一現像液は約6分間、その温度から0.3°C以内に保つ必要があります。わずかコンマ数度ずれただけでも、ロールのすべてのコマが明るくなったり暗くなったりします。第一現像液のあとは、余裕があります。発色現像液は1〜2°Cのずれが許容され、その後の液は幅広い温度で働きます。
この1つの工程のせいで、E-6はずっとラボの仕事と見なされてきました。自宅でも安定してE-6を現像できるようにするのがAGO Film Processorで、その仕組みを次のセクションで説明します。
自宅でE-6の液温を保つ方法と、AGOが役立つ理由
38°Cを手作業で保つ方法もあります。低温調理器で温度を保った湯の中にボトルとタンクを立て、タンクを持ち上げて倒立攪拌し、また戻し、その間ずっと温度計を見張ります。問題は、低温調理器が保つのはタンクの周りの水の温度で、タンクの中の現像液の温度ではないことです。タンクを持ち上げるたびに現像液は冷め、温度計が役立つのも、そばで目盛りを読んでいる間だけです。この方法で0.3°C以内に収めるのは非常に難しく、ロールごとに結果がばらつきやすくなります。
AGOの仕組みは違います。AGOは薬品を加温しないので、最初にご自身で約38°Cまで温めておく必要があり、それより少し高くても構いません。そのうえで、2つの現像液の間ずっと、タンク内の液温を測り、それに合わせて時間を補正します。現像液が冷めていれば長く、温かければ短くします。また、タンク内のリールを一定のペースで攪拌し、各工程の時間を計り、次に何を注ぐかを知らせます。上の動画では、2つの現像液の間、タンク内の液温は目標の38°Cに対して36°Cでしたが、AGOが時間を延ばして補っています。
AGOには、このガイドで取り上げるすべてのE-6キット用のプログラムが内蔵されているので、E-6メニューを開き、使うキットを選んで、画面の指示に従うだけです。対応するのは、Adox、Arista、Bellini、Cinestill D6、Ilfocolor、Joboです。液温に応じた時間補正は、標準設定の横置き回転攪拌モードで働きます。AGOでは、これまでに数百本のE-6フィルムが現像されています。

最初に一度温めれば、あとはAGOが時間を補正します
薬品を温めるのには低温調理器を使い、タンクに入れたあとの液温のずれには、AGOが時間の補正で対応します。この2つは組み合わせて使います。第一現像液を0.3°C以内に保つ難しさが、リバーサルフィルムを試すのをためらう理由だったなら、その悩みを解決するのがAGOです。
AGO Film Processorを見る自宅でリバーサルフィルムを現像するのに必要なもの
C-41を現像しているなら、ほとんどはすでにそろっています。何もない状態から始める場合の一覧は、次のとおりです。
- 現像タンクとリール。Paterson System 4シリーズです。リールは、35mmと120(中判)フィルムに合わせて幅を調整できます。
- ダークバッグまたはダークテント。完全な暗闇が必要なのは、フィルムをリールに巻き込む工程だけです。
- 温度計。0.1°C刻みで読めるデジタル式です。
- 計量カップと保存ボトル。液が混ざらないよう、液ごとに計量カップ1つとラベルを貼ったボトル1本を用意します。
- E-6キット。比較は以下のとおりです。
- 熱源。たとえばスティック型の低温調理器で、水を張った容器に取り付けて、設定した温度に保つキッチン用の加熱器具です。
- AGO Film Processor。液温がずれたときに、現像液の時間を補正して適切に保ちます。
- 脱イオン水(蒸留水)。最後の液に使います。硬度の高い水道水は、スライドに白い斑点を残します。
- フィルムクリップ。乾燥用で、1つは重り付きのものにします。
- ハサミ、ニトリル手袋、保護メガネ。
どのE-6現像キットを選ぶか
以下のキットは、どれも本物のE-6スライドが得られ、AGOにはそれぞれの内蔵プログラムがあります。違いは、注ぐ液の数と、作れる量です。3液キットは、反転を発色現像液の中で行い、漂白液と定着液を1つにまとめた漂白定着液(ブリックス)を使います。6液キットは、反転、前漂白、漂白、定着を別々に行う、ラボ本来の工程のままです。
| キット | 液の数 | 容量 | 温度 | AGOのプログラム(E-6メニュー) |
|---|---|---|---|---|
| ADOX C-TEC E-6 | 3液と安定液 | 1リットル、最大12本 | 38°C | Adox |
| Bellini E-6 | 6液と安定液 | 1リットル、約12本 | 38°C | Bellini |
| JOBO E-6 | 6液と安定液 | 2.5リットル、最大40本 | 38°C | Jobo |
| Ilford Ilfocolor E-6 | 6液と安定液 | 2.5リットル、最大40本 | 38°C | Ilfocolor |
| CineStill Cs6 | 3液 | 第一現像液は使い切り、最大16本 | 40°C | Cinestill D6 |
| Arista Rapid E-6(米国) | 3液、安定液なし | 1クォート(960ml)、8本 | 40.5°C(105°F) | Arista |
当店で扱うのはADOXとBelliniのキットで、以下の手順はこの2つに沿っています。ADOX C-TECは、注ぐ回数が最も少なく、1本あたり約4.50ユーロで、増感・減感の時間も説明書に載っているため、最初の1キットに最も向いています。ほかのキットを使う場合は、時間はそのキットの説明書に従い、AGOではそのキット用のプログラムを選んでください。
E-6の薬品を調合する
薬品は、キットの説明書に書かれたとおりに調合してください。キットごとに異なり、食い違う場合は必ず説明書が優先です。どのキットにも当てはまる決まりが2つあります。第一現像液を最初に調合し、すぐにボトルを閉じること。発色現像液が数滴入るだけで、あるいはその蒸気だけでも、第一現像液がだめになるからです。そして、発色現像液の各パートは慎重に計量すること。小さな誤差でも色がずれるからです。参考として、当店で扱う2つのキットの調合を以下に示します。
| ADOX C-TEC E-6、1リットル | 水 | 濃縮剤 |
|---|---|---|
| 第一現像液(FD) | 800ml | FDを200ml |
| 発色現像液(CD) | 600ml | パート1を200ml、パート2を200ml |
| 漂白定着液(BX) | 600ml | パート1を200ml、パート2を200ml |
| 安定液(STAB) | 脱イオン水800ml | STABを200ml |
ADOXでは、調合に使う水は20〜45°Cの範囲で構いません。すぐに始めたい場合は、38°Cより約10°C高い水で調合し、冷まします。調合したばかりの発色現像液は紫色で、時間がたつと黄色みを帯びますが、これは正常です。
| Bellini E-6、1リットル | 水 | 濃縮剤 |
|---|---|---|
| 第一現像液 | 750ml | 250ml |
| 反転液 | 900ml | 100ml |
| 発色現像液 | 700ml | A液を250ml、B液を50ml |
| 前漂白液 | 900ml | 100ml |
| 漂白液 | 490ml | 510ml |
| 定着液 | 900ml | 100ml |
| 安定液 | 990ml | 10ml |
1回の現像に必要なE-6薬品の量
タンクを手でひっくり返して攪拌する(倒立攪拌)場合は、液がリール全体を覆う量が必要です。AGOはタンクを横置きにして中のリールを攪拌するため、はるかに少ない量で済みます。Patersonタンクごとの量は、以下のとおりです。
| Patersonタンク | 本数(35mm / 120) | 手動 | AGOの場合 |
|---|---|---|---|
| 1リールタンク(PTP114) | 1 / なし | 290ml | 250ml |
| 2リールタンク(PTP115) | 2 / 1 | 580ml | 350ml |
| 3リールタンク(PTP116) | 3 / 2 | 870ml | 450ml |
| 5リールタンク(PTP117) | 5 / 3 | 1,450ml | 650ml |
| 8リールタンク(PTP118) | 8 / 5 | 2,320ml | 950ml |
AGOの量は、当店の最小薬品量の一覧表にある最小量です。ADOXは、液どうしが汚染し合うのを防ぐため、1つのタンクで同時に現像するフィルムを2本までにするよう推奨しています。
E-6リバーサルフィルムの現像手順
この手順は、当店で扱う2つのキットに沿っています。ステップ1〜4は共通で、細かい違いは各ステップに記しています。第一現像液のあとでキットごとに分かれるので、ADOXはステップ5A、Belliniはステップ5Bに従い、その後はステップ6から続けてください。AGOでは、E-6メニューを開いてAdoxまたはBelliniを選ぶと、画面が同じ手順を案内します。
始める前に
薬品を調合して、ラベルを貼ったボトルに入れます。第一現像液を最初に調合します。タンク、リール、ハサミ、温度計、計量カップ、ボトルを並べておきます。第一現像液を入れたら、発色現像液を出すまで中断できないため、すべてを温めて、順番に並べておいてください。
各工程の時間は、その液がフィルムに触れた瞬間から、次の液が触れるまでを数えます。液を排出する時間も、空にする液の時間に含まれるため、時間が切れる数秒前から排出を始めてください。
薬品を38°Cまで温める
ボトルを湯煎に入れ、38°Cになるまで温めます。確認は、湯ではなく、ボトルの中に温度計を入れて行います。特に重要なのは2つの現像液です。漂白液、定着液、安定液は、温かくなっていれば足ります。
15〜30分暗闇でフィルムを装填する
ダークバッグの中でパトローネを開け、フィルムの先頭にある細い部分(リーダー)を切り落として端を直角にし、フィルムをリールに巻き込みます。リールをタンクに入れ、フタをします。ここから先は、普通の明るさの部屋で作業できます。
約1分
タンクを予熱する
冷たいタンクは、最初の数秒で第一現像液を冷まし、E-6ではその数秒が仕上がりに表れます。ADOXの場合は、38°Cの水をタンクに満たして2分置き、捨てます。水に色が付いて出てくることがありますが、これはフィルムの色素の被膜であるハレーション防止層が洗い流されているもので、正常です。Belliniの場合は、タンクを空のまま38°Cの湯煎に3分入れておきます。
2〜3分第一現像液を38°Cで処理する
第一現像液を素早く注ぎ、タンクを作業台に軽く打ちつけて、フィルムに付いた気泡を落とします。AGOなら、リールの攪拌とカウントダウンが自動で始まります。手作業の場合は、攪拌します。つまり、新しい現像液が常にフィルムに行き渡るよう、タンクを動かします。ADOXでは、最初の30秒はタンクをやさしく倒立攪拌し続け、その後は15秒に1回倒立攪拌して、その合間は湯煎に戻します。Belliniでは、最初の15秒は攪拌を続け、その後は30秒ごとに5秒間攪拌します。
ADOXの時間は6分15秒です。Belliniの説明書には、6分と7分の2つの時間が載っていますが、何の違いかは書かれていません。まず6分で始め、Fujifilmのリバーサルフィルムでは約1分長くします。これはBelliniの英国の販売店の助言に従ったものです。この液でどのスライドも明るさが決まるので、時間は正確に守ってください。
38±0.3°Cで6分〜6分15秒ADOX C-TECの発色現像液と漂白定着液
温水でリンスしてから、発色現像液を注ぎます。このキットでは、発色現像液が反転も兼ねています。発色現像液と漂白定着液は、第一現像液と同じ要領で攪拌します。漂白定着液のあとは、フィルムに光が当たっても大丈夫なので、タンクを開けて構いません。その後はステップ6へ進みます。
| ADOX C-TEC E-6 | 時間 | 温度 |
|---|---|---|
| 温水でリンス | 2分30秒 | 33〜43°C |
| 発色現像液 | 6分 | 38±2°C |
| 温水でリンス | 2分30秒 | 33〜39°C |
| 漂白定着液 | 6分 | 20〜40°C |
| 最終水洗(流水、または30秒ごとに水を交換) | 4分 | 33〜39°C |
| 安定液(この後は水洗しない) | 1分 | 20〜39°C |
Belliniの反転、発色現像、漂白、定着
水洗してから、反転液を注ぎます。反転液、前漂白液、安定液は最初の15秒だけ攪拌し、それ以外の液は第一現像液と同じ要領で攪拌します。発色現像液以降は、フィルムに光が当たっても大丈夫です。安定液については、Belliniは室温の安定液を1〜2リットル用意し、そのつど新しい安定液に替えながら、フィルムを3回または4回浸すよう提案しています。その後はステップ6へ進みます。
| Bellini E-6 | 時間 | 温度 |
|---|---|---|
| 水洗 | 2分 | 38°C |
| 反転液 | 2分 | 38°C |
| 発色現像液 | 6分 | 38±1°C |
| 前漂白液(発色現像液の直後、水洗なし) | 2分 | 38°C |
| 漂白液 | 6分 | 38°C |
| 定着液 | 4分 | 33〜38°C |
| 水洗(3回) | 各2分 | 33〜38°C、最後の1回は20°C |
| 安定液 | 1回の浸漬につき30秒 | 室温 |
乾燥
フィルムをリールから外し、やさしく水気を拭き取って、クリップで吊るし、下に重り付きのクリップを付けます。ほこりや風のない場所に干してください。45°C未満に保ち、濡れている間は画像部分に触れないでください。濡れたスライドは少し乳白色に見えますが、乾くと色が冴えてきます。
約2時間スライドを見る、マウントする、スキャンする
スライドは完成した画像なので、最初に見る瞬間がいちばんの楽しみです。ストリップを窓にかざすか、フィルムを裏から均一に照らす薄いパネルのライトパッドに置いて見ます。映写や保管をするには、コマを切り離してスライドマウントにはめ込みます。スライドマウンターを使うと、この作業が早くなります。スキャンするには、光源の上に置いたマクロレンズ付きのデジタルカメラと、Valoi easy35のようなホルダーの組み合わせで、うまくスキャンできます。ネガと違い、反転する必要がないので、カメラに写ったものがそのまま仕上がりです。フィルムスキャンの選択肢のページで、各方法を比較しています。

薬品を片付ける
各液を元のボトルに戻し、空気を押し出すか、ガラス玉を足して液面を上げ、ラベルに現像したロール数を書きます。各液がどのくらい持つかは、次のセクションに記載しています。
E-6薬品の再使用と保存期間
現像するたびに薬品は少しずつ弱まるため、ロール数が増えるにつれて時間を延ばします。以下は、使用液1リットルあたりのADOXの時間です。500mlで調合した場合は、4本ごとではなく、2本ごとに次の列へ進みます。現像と現像の間は、タンクとリールをよく洗い、少なくとも1時間は乾かしてください。
| ADOX、1リットル | 1〜4本目 | 5〜8本目 | 9〜12本目 |
|---|---|---|---|
| 第一現像液 | 6分15秒 | 6分30秒 | 6分45秒 |
| 発色現像液 | 6分 | 7分 | 8分 |
| 漂白定着液 | 6分 | 7分 | 8分 |
Belliniでは、7〜12本目の第一現像液は6分30秒(説明書にある長いほうの値では7分30秒)、発色現像液は6分30秒になります。Belliniのそのほかの時間は変わりません。
| ADOXの保存期間 | 調合後・未使用 | 調合後・使用済み |
|---|---|---|
| 第一現像液 | 8週間 | 2週間 |
| 発色現像液 | 12週間 | 6週間 |
| 漂白定着液 | 12週間 | 12週間 |
| 安定液 | 12週間 | 6週間 |
使用済みの第一現像液は2週間しか持たないため、ロールをまとめて現像してください。開封した濃縮剤は24週間、未開封のキットは約2年持ちます。保管温度は5〜30°Cで、凍らせないでください。
自宅でE-6フィルムを増感・減感現像する
暗すぎる、または明るすぎる状態で撮影したロールは、第一現像液だけを変えることで、限度内で補正できます。露出は段(ストップ)で表し、1段は光量が2倍、または半分になる差です。露出不足のフィルムを長く現像することを増感、露出過多のフィルムを短く現像することを減感といいます。ほかの液は変わりません。以下はADOXの補正で、標準の6分15秒を基準にしています。
| 露出 | 処理 | 第一現像液 |
|---|---|---|
| 2段暗い | 増感+2 | 11分45秒(6分15秒+5分30秒) |
| 1段暗い | 増感+1 | 8分15秒(6分15秒+2分) |
| 1段明るい | 減感−1 | 4分15秒(6分15秒−2分) |
| 2段明るい | 減感−2 | 6分15秒、第一現像液は31°C |
増感すると第一現像液の消耗が早くなり、500mlで現像できるのは、増感+1で4本、増感+2で3本です。増感したスライドはコントラストが強くなり、黒が弱くなります。減感したスライドはコントラストが低く、平板に見えます。そのため、習慣にせず、救済手段として使ってください。減感は強い光のコントラストを抑える効果もあり、増感は非常に柔らかい光を引き立てる効果もあります。Belliniの説明書には、標準の時間しか載っていません。考え方全般については、露出不足のフィルムの増感現像方法を参照してください。
E-6のトラブル対処とスライドの読み方
乾いたストリップを窓にかざします。良好なスライドは、コマの間の黒が深く澄んでいて、縁にフィルム名とコマ番号がはっきり写り、画像が見た景色のとおりに見えます。問題の大半は、スキャンする前にストリップを見れば分かります。
| 見た目 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| スライドが明るすぎて、白っぽく色が抜けている | 露出過多、または第一現像液が熱すぎる、時間が長すぎる、攪拌が強すぎる、あるいは漂白定着液で汚染されている | 露出計を確認します。第一現像液の温度を下げるか、時間を15〜30秒短くします。第一現像液を新しく調合します |
| スライドが暗すぎる | 露出不足、または第一現像液が冷たすぎる、時間が短すぎる、タンクを予熱していない、あるいは攪拌が弱すぎる | 露出計を確認します。タンクを予熱します。第一現像液の時間を15〜30秒長くするか、攪拌をやや増やします |
| ロールごとに色や明るさが変わる | 処理中に第一現像液の温度がずれた | タンクを予熱し、薬品を38°Cよりやや高めに温めるか、AGOに時間を補正させます |
| 黒が緑がかって見える | 現像液に安定液が混入した | 毎回現像のあとに、タンクとリールを念入りに洗います |
| 黒が灰色で、赤褐色や緑の色みがある | 第一現像液に発色現像液が混入した | 第一現像液を新しく調合し、すべてを洗浄し、必ず第一現像液を最初に調合します |
| 筋、色ムラ、まだら | 攪拌が足りない、温度がずれた、または現像機が水平でない | 特に第一現像液は、より速く注ぎます。現像機を水平にします。攪拌を増やします |
| 乾いたフィルムに白っぽい斑点 | 安定液に硬水を使った | 安定液を脱イオン水で調合し、フィルムをもう一度浸します |
| オレンジ色が強くかぶったスライド | カラーネガフィルムをE-6で現像した | 処理の問題ではありません。次の現像の前に、フィルムの箱を確認します |
スライドの仕上がりを安定させる習慣
- 温度計を、一度、基準となるもので確認します。0.5°C高く表示するプローブは、それだけで第一現像液の許容範囲を外れています。
- ボトルにロール数を書きます。再使用の表は、ロール数が分かって初めて使えます。
- 露出を慎重に決めます。リバーサルフィルムは誤差の余地が小さいので、被写体の明るい部分に合わせて測光し、シャドウは暗く落とします。
- 手袋と換気を欠かさず、何も排水口に流さないでください。使用済みの薬品には銀が含まれます。ボトルに入れて、お住まいの地域の回収場所に持ち込んでください。
次のステップ
- カラー現像が初めてなら、まず自宅でのC-41現像から始めてください。同じ温度で、現像液は2つではなく1つです。
- セットアップに迷っているなら、自宅でフィルムを現像する最適な方法で、フィルムの種類と本数ごとに選択肢を比較しています。
- モノクロのスライドは、別のプロセスです。ADOX Scalaキットは、Scala 50をポジとして現像します。
- 仕上がりのおかしいストリップを前に困ったら。DiscordとFacebookグループが、自家現像する人たちが結果を見せ合う場所です。
自宅でのE-6現像についてのよくある質問
E-6リバーサルフィルムは自宅で現像できますか?
はい、できます。モノクロと同じタンク、リール、ダークバッグに加えて、E-6キットと、第一現像液を約6分間、38°Cから0.3°C以内に保つ手段が必要です。この最後の部分が難しく、AGO Film Processorは、時間の補正でその部分を引き受けます。
E-6には何度の温度が必要ですか?
2つの現像液ともに38.0°C(100.4°F)で、これはKodakの標準です。第一現像液の許容範囲は±0.3°C、発色現像液はキットにより±1〜2°Cです。漂白液、定着液、水洗、安定液は、それより低い温度でも処理できます。CineStill Cs6とAristaのキットは、約40°Cというより高い温度で処理するよう作られています。
E-6はC-41より難しいですか?
少し難しくなります。E-6は現像液が1つではなく2つあり、第一現像液は、自宅現像で最も温度に敏感な工程です。扱い方は同じなので、C-41を現像できるなら、E-6も現像できます。
どのE-6キットを買えばよいですか?
最初の数本には、ADOX C-TEC E-6をおすすめします。注ぐ回数が最も少なく、1リットルで最大12本を現像でき、増感・減感の時間も付いています。Bellini、JOBO、Ilford Ilfocolorには6液キットがあり、ラボの工程の各段階を、それぞれ別のボトルに分けています。AGOには、そのすべてに内蔵プログラムがあります。
自宅でE-6フィルムを現像するのに、どのくらいかかりますか?
始めてからフィルムを吊るすまで、約1時間です。薬品を温めるのに15〜30分、液に浸す工程に約30分かかり、6液キットではもう少しかかります。乾燥には約2時間かかります。
E-6の薬品は再使用できますか?
はい、再使用できます。ADOX C-TECもBelliniも、1リットルあたり約12本を現像でき、本数が増えるにつれて時間を延ばします。使用済みの第一現像液は2週間しか持たないため、ロールをまとめて現像してください。
リバーサルフィルムをC-41の薬品で現像すると、どうなりますか?
スライドではなくネガが得られ、コントラストが強く、色もずれます。これをクロスプロセスといい、仕上がりの風合いを狙って、あえて行う写真家もいます。本物のスライドが欲しいなら、E-6を使ってください。
リバーサルフィルムの現像に、暗室は必要ですか?
いいえ。暗闇が必要なのはフィルムをリールに巻き込むときだけで、ダークバッグがあれば約1分で済みます。タンクを閉じた後は、すべての工程を普通の明るさの部屋で行えます。
自宅でE-6を現像するのに、AGOは必要ですか?
AGOがあると、自宅でもE-6が安定します。湯煎と温度計で試すこともできますが、第一現像液を手作業で0.3°C以内に保つのは非常に難しく、結果にばらつきが出がちです。AGOはタンク内の現像液の温度を測り、それに合わせて時間を補正するため、どのロールにも必要な現像が行われます。
このページの時間、量、容量は、メーカーの説明書に基づいています。ADOX C-TEC 3-Bath E-6 Developing Kit(2024年)、Bellini Foto KIT E6/1(REV1、2025年11月20日)、JOBO E-6 Color Positive Developing Kit、CineStill Cs6、Arista Rapid E-6です。標準のプロセス温度は、Kodak公式資料J-83「Chemicals Process E-6」に基づいています。